

そんな症状があったら、それはアレルギー性鼻炎かもしれません。アレルギー性鼻炎の代表と言えばスギ花粉症。その名の通り、スギの花粉が飛ぶ1月から4月にかけて症状が現れます。
問診やスギ花粉症の検査で、スギ花粉症と診断されたら、治療に入ります。スギ花粉症の治療には、症状を薬でおさえる薬物療法(対症療法)と、からだをアレルゲンに慣らしていくアレルゲン免疫療法があります。アレルゲン免疫療法は、根本的な体質改善が期待できます。注射でアレルゲンを含む治療薬を投与する皮下免疫療法と、舌の下(したのした)で行う舌下免疫療法があります。
「スギ花粉症の舌下免疫療法」は、スギ花粉症と確定診断された6歳以上の患者さんが治療を受けることができます。
1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、毎日少しずつ増量していきます。
投与開始から、1週間後に、1度通院していただき、副作用がないか確かめた後、通常量に増量し、2週間後に再度副作用がないかを確かめた後、決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。
初めての服用は、医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。

治療薬を舌の下に置き、1分間保持したあと、飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。


医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる
薬物療法(対症療法)は、症状を起こす物質(ヒスタミンなど)の働きや鼻の中の炎症をおさえて症状を和らげます。アレルゲン免疫療法は、からだをアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
スギ花粉症の場合はスギ花粉を含む治療薬を用います。
スギ花粉症の場合は、スギ花粉が飛んでいる時期は治療を新たに開始することはできません。
スギ花粉症の「アレルゲン」は「スギ花粉」であり、スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっています。
そのため、スギ花粉が飛んでいない10月~11月から治療を開始します。
少しずつアレルゲン(スギ花粉)を投与し、からだをアレルゲン(スギ花粉)に慣らすことからはじめ、数年にわたり継続して服用します(3年以上推奨)。そのため、定期的な受診が重要です。
正しく治療が行われると、スギ花粉症の場合は初めてのスギ花粉飛散シーズンから効果が期待され、年単位で継続することで最大の効果が得られると考えられています。
長期間、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、治療終了後も長期にわたり症状をおさえること、または症状が完全におさえられない場合でも、症状をやわらげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。
アレルゲンを投与することから、服用後にアレルギー反応がおこるおそれがあり、まれに強いアレルギー症状が発現するおそれがあります。

