COLUMN

クリニックコラム

ピロリ菌に感染すると・・・①

こんにちは!医師の片野です。

前回に引き続きピロリ菌についてのお話しです。

今回は「ピロリ菌に感染するとどのような病気になるのか?」ということについて、詳しくお話ししていきます。

ピロリ菌と胃炎

ピロリ菌が胃粘膜に接着して感染が成立すると、胃粘膜にたくさんの炎症細胞が集まり、胃の粘膜に浸潤します。ピロリ菌感染が持続すると、ピロリ菌や炎症細胞から放出される病原因子との作用によって胃の粘膜は萎縮します。この状態を萎縮性胃炎といい、ピロリ菌感染によって生じる胃炎の特徴です。

 

萎縮性胃炎と胃がん

胃粘膜の萎縮が生じるには十年以上の感染期間が必要とされていますが、前回のコラムでもお話しした通り、ピロリ菌の感染は一般には幼少期に起きるとされているため、20歳から30歳の若い方でも胃粘膜に強い萎縮を認めることがあります。胃がんの中には萎縮性胃炎を背景に発生するものがあるため、ピロリ菌感染に伴う胃粘膜の萎縮は胃がんのリスクが高い状態と考えられています。

ピロリ菌に関連する胃粘膜の萎縮は内視鏡検査で確認することができます。ピロリ菌が気になるという方は内視鏡検査を受けていただくことをお勧めします。

 

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[胃カメラ・内視鏡検査]

岐阜県可児市 医療法人梶の木会 梶の木内科医院 内視鏡専門医 片野敬仁